2007年11月28日水曜日

「こんな悪政見たことない!」

誰のための農政? J党(あえて農水省とは言いません)の示した「米緊急対策(10月29日発表)」。
 下落した米価格の立て直しの為に・・・。
①19年産米を政府米として34万トン買入れする。
②現状の政府米在庫の売却を即日ストップする。
③全農の18年産未売却米10万トンを、何と!エサにする。

 以下、私見です。
 実際にこの1ヶ月で米価は上昇気味です。ここは狙い通りでしょう。
しかし、今価格が上昇して19年産米の農家手取りが増えたとしても、いつかここで凍結した数十万トンを売却する日が来る。
 その時米価はどうなる?誰が考えても問題の先送り。

①今年の作況指数は99。しかし西日本は初夏の冷え、8-9月の猛暑でむしろ不作。今頃政府米の供出を言われたって・・・アリガタメイワク。
「売れる米を作りなさい。売れない米は政府は知らんよ!」そう言ってスタートしたばかりの新しい農業政策。
 国の指導で減反を進めてきたことに反して「米が余れば政府が買ってくれるさ!」という考えが出てくる。これじゃ誰も減反に協力しなくなる。
 結果的に増産となり、将来米価は再び下落。農家の経済はますます厳しくなる。
 「もう嫌だ!」ってことになる。若い人は耕作しない、農業機械が壊れたらそこで田んぼは終わり。米を作る人がいなくなる。

②白米の市場は安い米を待っている。
 今年の6月に農政局は我々米卸を集め、4月に突然政府米の売却を中止したことを詫び、「7月以降毎月2万トン買ってください!」と頭を下げた。
「じゃ、協力しましょう!」素直な米卸は政府米を原料とした白米を顧客に売りつないでいる。まさに梯子をはずされた迷える米卸。
慌てて市中から高い米を買って、結果的に損する哀れな米卸。
経営不振に陥る米卸が出てこなければいいけど・・・(ヒトゴトじゃない)。

③18年産10万トンをエサに売れ!通達が出た時点ではその10万トンは既に売却が完了していた(もちろん主食として)。でも一旦あげたこぶしは降ろせない。
「じゃ、19年産をエサに売れ!」
冗談じゃない。19年産は政府米の34万トンだけでもできるかどうかなのに・・・。
「じゃ、加工原料になっているフルイ下米をエサにしろ!」
実際全農はフルイ下米の売却をストップしました。
ちょっと待ってよ!フルイ下米の売却停止は「主食米の価格下落の是正」という本来の主旨と関係ないでしょう?
 しかもフルイ下米は、戦後食料のない時代に、味噌や米菓等の加工食品メーカーさんと、我々搗精業者が協力して食品原料とすることを研究し、それまでニワトリのエサにするか田んぼの肥料にしていたフルイ下米に命を吹き込んだ経緯がある。
 それを「あれが駄目ならこれ。これが駄目ならあれ。あれが駄目ならそれ。」的な机上論で本来の用途以外に回すなんぞ、加工食品メーカー、搗精業者、ひいては安定価格で米加工食品を入手してきた消費者をコケにすることになりませんか?

≪今度はお金の話≫
●政府米は在庫増に伴う金利、倉庫料、品質劣化による差損→税金で負担
●エサに売却(キロあたり20円前後)する差損、100億円らしい→生産者の積立金と税金で負担
●従来エサになっていた輸入米の倉庫料→当然税金で負担

≪はっきり言います≫
 この愚策のおかげで
●数か月後あるいは数年後、米価は再び下がります。
●安易な過剰米救済措置は生産増に直結します。農家は益々やる気をなくします。
●従ってきっといつかは、今度は米が足らない、日本人の食料がないと言う日がやってきます。(11月27日の日経にも書いてありました)
●J党の思惑のように票が増えることには絶対につながりません!

≪それじゃどうするの?≫
 食糧の自給率アップの問題をもっともっと国民に深刻に認識せしめ、「米を食べなきゃいかんな~」、「自給率上がるならもう少し高い価格でも国産食料にしよう」という気持ちをもたせることが必要なのでは。

≪・・・と思います≫
 と、付け加えればギショウ罪に問われないらしいので、上記の文章のすべての文末に「と思います」と加えることにします。

 ダラダラ書いてごめんなさい。今日はこの辺にしとこ!!
(清酒のおいしい季節なのにナゼカ悪酔い。11月下旬 片山芳孝 記)

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