最低気温 1.8度。今季初めて通勤の車内にヒーターを入れた11月17日。なのに岡山県南ではまだ田圃に稲が残っています。
一部飼料米もありますが、銘柄は晩生のアケボノ、そして酒米の雄町だと思われます。
平年なら11月に入ればほぼ田圃は終了していますが、今年は10月の天候不順で遅れに遅れて作業が集中し、田圃もライスセンターも精米業者もバタバタしています。
それに対して酒蔵の仕込みは待ったなし。
蔵人の蔵入のタイミングなどで致し方ないのでしょうが尻を叩かれています。
「玄米が入らないので搗精できないよ!」 弊社の酒米担当者は機械のやりくりに頭をひねっています。
全国的にも同じ状況のようで中京、東海、北部九州でも農作業が滞っており、新潟の同業者からは「岡山の雄町は入荷の目処さえ連絡がない!」と怒りの電話が弊社に。
某集荷団体になり替りお詫び申し上げます。
飼料米への転作、東日本の作況の低下、全国的な収穫の遅れ等の要因で、外食産業等に向ける業務用米が不足し、アメリカのカルローズやオーストラリア米への引合いが増え始めています。
あの中国米へも…?
また食品メーカーにおいても輸入米への転換が現実になっています。
雑穀を主に扱っている業者のホームページを見ると、米が高い時には大麦やもち麦をブレンドしてはいかが?との提案がありました。
恐れていた節米(ご飯の盛りが減る、コンビニのおにぎりが小さくなる等)が始まっています。
食品業界ではSBS米の増枠、政府保有備蓄米の放出を嘆願しています。
政府は平成30年産からは米の生産目標数量の設定を行わないことにしています。
これに対してJAグループは米卸も含めて全国協議会を作ろうとしていますが、農水省は後ろ向きと伝えられています。
1年後、米は不足しているのか余っているのか、悩ましい時が続きます。
困った話はこのくらいに…。
11月も半ばを過ぎ夜温が下がり今年の紅葉は例年より見事です。
そして日本酒が更に美味しくなってきた今日この頃です。
私(片山)のマイブームは「無濾過生原酒」。
先日、岡山成羽の白菊酒造さんの「雄町の純米無濾過生原酒」を馴染みの店のマスターと常温で。
あっと言う間に4合瓶をやっつけました。
先週は岡山鴨方の丸本酒造の創業150周年の祝いの会へ。
ここは「自家栽培の山田錦」で醸しています。
また蔵の建物が「登録有形文化財」に指定されている伝統のある蔵元です。
そこでも「大吟醸の無濾過生原酒」を入手。
もともと甘口の酒蔵ですが、どんな味に仕上がっているのか楽しみです。
弊社工場では「雄町」の20%白米の搗精中。
約1週間を要しますが、順調に仕上がっています。
岡山産「山田錦」の20%精米は既に出荷済みで、信州の酒蔵で間もなく仕込みが始まります。
ボジョレーヌーボーが11月16日に解禁されましたが、当方今夜はまず「ひやおろし」をぬる燗で。
そして「大吟醸無濾過生原酒」を頂こうかと…。
肴は鰆の刺身とタタキ。アオリイカの一夜干しも良いなぁ。
お知らせ;弊社のホームページを12月にリニューアルします。この拙文も継続して載っけてもらえそうです。
よろしかったらお付き合いの程!
「さほどにも旨きかと人の問うたれば 何と答えんこの酒の味(出所不明)」
(2017年11月中旬 片山芳孝 記)
2017年11月17日金曜日
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