政府(小泉農相)は随意契約による備蓄米の販売を進めています。
令和4年産米までは出すと即完売で、この1カ月弱で「こしひかり」などの銘柄米のスポット価格は3割以上値を下げました。しかし令和3年産米は臭い等の品質懸念もあってか売行きは芳しくないようです。
各マスコミでは、米価高が家計を圧迫しているとか、備蓄米の販売に列ができたとかの興味本位の報道だけがなされています。
しかし農家が再生産の可能な(来年も米を作ろう!)価格設定が必要だというところには触れてくれません。国民の食を守る「食糧安保」の為にも、ある程度以上の生産者の手取りの確保は「大切な、大切な」ことだというアナウンスが求められます。
さてさて、私(片山)は先月の5月下旬、長野県北、新潟との県境に近い、「小布施町」へ行きました。
JR長野駅から「長野電鉄」で約25分。
長野電鉄は「小田急」「東急」「JR東日本」「東京メトロ」などの旧車両が現役で走っています。鉄道マニアには「たまらん!」電鉄ではないでしょうか。
車窓からは「千曲川の流れ」や「栗やリンゴの果樹畑」が見えます。小布施駅のホームからは遠くに妙高山や黒姫山などの雄大な「北信五岳」を望むことができます。
小布施町には江戸時代末期には葛飾北斎や小林一茶などの文化人が訪れたそうです。
「花のまち」とも呼ばれており、多くの一般の方のお庭が「オープンガーデン」として開放されており、旅人が自由に「花」を楽しむことができます。
栗羊羹や栗鹿の子などの栗のお菓子も有名です。特に「小布施堂の朱雀(モンブラン)」は要予約で売切れ必至だそうです(これはわが家の奥方の情報であります)。
長野県で最も面積が小さく、人口も一万人ほどの小布施町には3軒の酒蔵があります。
弊社のお取引先であるМ一酒造場さんにお邪魔しました。
試飲(角打ち)ができるカウンターは欧米系の外人さんに占領されていました。
「白金」という銘柄は社長のこだわりで「木桶」で醸されるそうです。
「ホーローやステンレスのタンクと違い、『木』は呼吸しており気温などの気候によって毎回出来が変わる」という造りのご苦労を杜氏さんに伺いました。
夜は同社の敷地内にある「蔵部」へ。
ヤマメやイワナ等の魚料理と信州牛やらの地元の食材の御馳走を頂きました。
ここではМ一酒造場の「岡山雄町(碧漪軒=へきいけん)と兵庫山田錦(鴻山=こうざん)の純米大吟醸酒を飲み比べ。
地元贔屓ではないですが、やはり雄町の勝ち!旨味とコクは雄町ならではです!
「スクエアワン」という銘柄は先ず冷酒で飲みましたが「今日の料理にはぬる燗が合うよね!」とお店の飲料担当者(若い女性)に話したら「私もぬる燗が一番好き!」と嬉しそう。
精米歩合20%の純米大吟醸酒「応龍=おうりゅう(原料は岡山産山田錦)」はわが家の冷蔵庫で保管中。
日本酒は同じ銘柄でも冷から燗酒まで気候や料理によって楽しみ方が変わる。やはり良いもんです!!
翌朝はレンタサイクルで街を一回り。
あちこちに栗やリンゴ、ブドウの畑があります。カッコウの鳴き声も聞こえました。
曹洞宗の古刹「岩松院」には葛飾北斎の天井絵「八方睨み鳳凰図」がありました。200年近く色付け等の手が加わっていないそうで、畳21枚分の大きさで大迫力。
お庭の池にはたくさんのオタマジャクシがいましたよ。
小布施町の小学校名はなんと「栗ケ丘小学校」(笑)。洒落てます。
何度でも行きたくなる「小布施」。素敵だなぁ!
「やせ蛙負けるな一茶是にあり (小林一茶 岩松院にて詠んだとか)」
(梅雨がどこかへ行っちゃった! 2025年6月下旬 片山芳孝 記)