2019年4月10日水曜日

「シャブリに負けない日本酒! 2019年4月」


新元号は「令和」。令しく(うるわしく)平和な日本を表す素敵な元号だと思います。

キリンビール岡山工場のある岡山市瀬戸町の桜はほぼ満開(4月9日現在)。
この瀬戸町地区は岡山県内でも有数の桃の産地で、こちらも濃いピンクの花が満開です。
近くの山に目をやれば、日増しに濃くなる緑の中にポツリポツリとピンクの花が見えます。
 
「あら、こんなところにも桜があったんだぁ」と少し嬉しい気持ちになりました。
 
「あれ?似たような風景を最近目にしたぞ!」。
そうそう、4月7日に広島の取引先のご厚意で出かけた広島マツダスタジアム。
見渡す限り赤色に染まったスタンドにポツリポツリと黄色の法被が見える。
「あら、こんなところにも阪神ファンがいるんだぁ!」

「里海米(さとうみまい)」という名前をお聞きになったことがありますか?
 
当地岡山県は広島、宮城に次ぐ全国3位の牡蠣の生産地です。
そこで発生するカキ殻の有効利用はできないか?
粉砕したカキ殻を田圃にすき込めば、カキ殻に含まれるカルシウムやミネラルなどの成分により土壌が改良される。
その田圃の稲は根張りが良くなり茎が太くなり倒伏しずらくなるそうです。
全農岡山県本部が主体となって「瀬戸内カキガラアグリ推進協議会」が設立され、JAグループ岡山の実験田では17%も収量が増加したそうです。
2016年から岡山県内各地で生産され、岡山の朝日、きぬむすめ等地区によって銘柄は異なりますが「里海米」として販売されています。
 
また主食米だけでなく岡山の誇る酒造米「雄町」の田圃でもカキ殻を施用し、その「雄町」で醸した日本酒も商品化されています。(梅錦山川 純米吟醸 「里海の環」)
カキ殻を施用し牡蠣の旨味の効果なのか、牡蠣料理に合う辛口の日本酒が出来たとか。
 
牡蠣料理に合うと言えば「シャブリワイン」。そのワインの原料となる葡萄が作られる「シャブリ村」は太古は海であり、牡蠣の化石が含まれている土壌なのだそうです。

牡蠣の栄養のある土地で作られた「シャブリワイン」=牡蠣料理に合う。
それならばカキ殻を施用した「雄町」で醸された日本酒=牡蠣料理に合う。
なるほど、納得!
そろそろ牡蠣はシーズンオフ。今秋はカキ殻施用の「雄町の日本酒」で牡蠣料理をやっつけますか!
 
ついでにウンチクをもう一つ披露。カキ殻を海底に沈め「アマモ」の種を植える運動が岡山県の瀬戸内側で進んでおり、12ヘクタールまで減少していた「アマモ場」は250ヘクタールまで回復しているとか。カキ殻には水質浄化作用があり、そこで育った「アマモ」は魚介類の産卵・生育場所になります。
なんと、カキ殻ってえらい!
「里海」の米や日本酒、目にされたら是非お試しください。

 
「牡蠣殻を積みては山を高くする (山口誓子)」

 
(つばめが帰って来てくれた2019年4月上旬 片山芳孝 記)

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